胃は、ご存知の通り、食べ物を消化する場所です。
胃全摘術をした人でも、食事をして生きていけることから、胃は、消化に必須の器官ではないといえます。
もくじ
胃の働き
食べ物の貯蔵
ヒトを含む、動物は、栄養がないと生きていけません。
しかし、いつも食べ物にありつけるわけではないので、貯蔵作用のある胃が重要になります。
食べ物の消化
胃は、急に小腸に食べ物を流さないように、少しずつ送る作用もあります。
そのため、胃の出口は幽門と呼ばれる細い構造になっています。
胃に溜められた食べ物は、胃の蠕動運動と胃液・胃酸によって消化されます。
内因子とガストリンの分泌
消化には関係ありませんが、ビタミンB12の吸収に必要な「内因子」を分泌します。
また、消化管ホルモンのガストリンも分泌します。
胃液の成分と働き
ペプシン
タンパク質を分解する酵素
胃酸
胃酸は、胃液に含まれる塩酸のこと6つの働きがあります。
- ペプシン活性化(ペプシノーゲンをペプシンに変える&胃液をph1~2に保つ)
- タンパク質変性(たんぱく質を変性して、酵素の作用を受けやすくする)
- 鉄の吸収(鉄を吸収可能なイオン化状態にする)
- カルシウムの吸収(カルシウムを吸収可能なイオン化状態にする)
- 食物中の最近を殺す・増殖を抑える
- 胆汁や膵液の分泌を促進する
胃切除後の経過としての影響
- 内因子欠乏→巨赤芽球性貧血
- 鉄欠乏→鉄欠乏性貧血
- カルシウム欠乏→骨粗鬆症
胃壁の保護
胃壁から分泌されるムチンという粘液は、胃壁表面を覆います。
そして、胃酸・タンパク質分解酵素から、胃自体を守っているのです。
この守りが弱まると、消化性潰瘍になります。